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東京地方裁判所 昭和60年(特わ)2542号 判決

本店所在地

東京都港区西新橋三丁目一八番二〇号

和功産業株式会社

右代表者代表取締役

山本和夫

本店所在地

神奈川県厚木市小野宮脇三六三番地

株式会社和功製作所

右代表者代表取締役

山本和夫

山本道子

本籍

神奈川県伊勢原市伊勢原一丁目四二二番地の一

住居

同伊勢原一丁目一三番一七号

会社役員

山本和夫

昭和一五年六月一七日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官櫻井浩出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

一  被告人和功産業株式会社を罰金一、七〇〇万円に、被告人株式会社和功製作所を罰金一、三〇〇万円に、被告人山本和夫を懲役一年にそれぞれ処する。

二  被告人山本和夫に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人和功産業株式会社は、東京都港区西新橋三丁目一八番二〇号(昭和五七年一〇月一八日以前は、同区元赤坂一丁目一番一五号)に本店を置き、自動車用品の販売を目的とする資本金一、五〇〇万円(昭和五五年一二月一五日以前は五〇〇万円)の株式会社、被告人株式会社和功製作所は、神奈川県厚木市小野宮脇三六三番地に本店を置き、自動車用品の製造を目的とする資本金一〇〇万円の株式会社、被告人山本和夫は、右和功産業株式会社及び株式会社和功製作所の代表取締役として、それぞれ両会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人山本は

第一  右和功産業株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上するなどの方法により所得を秘匿した上

一  昭和五五年七月一日から同五六年六月三〇日までの事実年度における同会社の実際所得金額が、一億九三四二万二七三円(別紙(1)の1修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五六年八月二八日、東京都港区西麻布三丁目三番五号所在の所轄麻布税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八五三五万六七七五円でこれに対する法人税額が三三五六万六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(昭和六〇年押第一五二八号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額七八九三万二七〇〇円と右申告税額との差額四五三七万二一〇〇円(別紙(3)ほ脱税額計算書参照)を免れ

二  昭和五六年七月一日から同五七年六月三〇日までの事業年度における同会社の実際所得金額が、一億六九二〇万六一七五円(別紙(1)の2修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五七年八月三一日、前記麻布税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億二一三七万四七三六円でこれに対する法人税額が四七七七万八四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額六七八六万一〇〇〇円と右申告税額との差額二〇〇八万二六〇〇円(別紙(3)ほ脱税額計算書参照)を免れ

第二  右株式会社和功製作所の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上

一  昭和五五年四月一日から同五六年三月三一日までの事業年度における同会社の実際所得金額が、六二三七万七三七九円(別紙(2)の1修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五六年五月二九日、神奈川県厚木市水引一丁目一〇番七号所在の所轄厚木税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が、二二六八万九四三五円でこれに対する法人税額が八一九万五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の3)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二四〇六万一七〇〇円と右申告税額との差額一五八七万一二〇〇円(別紙(4)ほ脱税額計算書参照)を免れ

二  昭和五六年四月一日から同五七年三月三一日までの事業年度における同会社の実際所得金額が九七四四万四一一六円(別紙(2)の2修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五七年五月二九日、前記厚木税務署において同税務署長に対し、その所得金額が二八八〇万五八一四円でこれに対する法人税額が一一九〇万一八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の4)を退出し、そままま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額三九九一万六三〇〇円と右申告税額との差額二八八二万四五〇〇円(別紙(4)ほ脱税額計算書参照)を免れ

たもである。

(証拠の標目)

一  被告人山本和夫の当公判廷における供述

一  同被告人作成の申述書

一  同被告人の検察官に対する供述調書四通

一  佐野徳也、松本靖夫の検察官に対する各供述調書(各二通)

一  収税官吏作成の次の調査書

売上高調査書

当期仕入高調査書

賞与手当調査書

福利厚生費調査書

交際接待費調査書

支払手数料調査書

雑費調査書

受取利息調査書

価格変動準備金戻入額調査書二通

価格変動準備金繰入額調査書二通

交際費損金不算入額調査書

事業税認定損調査書

売上高調査書

期末材料棚卸高調査書

期末製品棚卸高調査書

退職金調査書

事業税認定損調査書

一  検察事務官作成の捜査報告書二通

一  大蔵事務官作成の証明書二通

一  押収してある法人税確定申告書四袋(昭和六〇年押第一五二八号の一ないし四)

(法令の適用)

一  罰条

各被告会社につき法人税法一六四条一項、一五九条一・二項

被告人山本につき法人税法一五九条一項

一  刑種の選択

被告人山本につき懲役刑選択

一  併合罪の処理

各被告会社につき刑法四五条前段、四八条二項

被告人山本につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(最も重い判示第一の一の罪の刑に加重)

一  刑の執行猶予

被告人山本につき刑法二五条一項

(求刑 被告会社和功産業につき罰金二〇〇〇万円、同和功製作所につき罰金一五〇〇万円、被告人山本につき懲役一年)

(裁判官 田尾健二郎)

別紙(1)の1 修正損益計算書

和功産業(株)

自 昭和55年7月1日

至 昭和56年6月30日

〈省略〉

別紙(1)の2 修正損益計算書

和功産業(株)

自 昭和56年7月1日

至 昭和57年6月30日

〈省略〉

別紙(2)の1 修正損益計算書

(株)和功製作所

自 昭和55年4月1日

至 昭和56年3月31日

〈省略〉

別紙(2)の2 修正損益計算書

(株)和功製作所

自 昭和56年4月1日

至 昭和57年3月31日

〈省略〉

別紙(3) ほ脱税額計算書(単位 円)

会社名 和功産業株式会社

(1) 自 昭和55年7月1日

至 昭和56年6月30日

〈省略〉

(2) 自 昭和56年7月1日

至 昭和57年6月30日

〈省略〉

別紙(4) ほ脱税額計算書(単位 円)

会社名 和功産業株式会社

(1) 自 昭和55年4月1日

至 昭和56年3月31日

〈省略〉

(2) 自 昭和56年4月1日

至 昭和57年3月31日

〈省略〉

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